主人公は、ゼネコンで働く37歳、風祭大地。彼は2年前から通信設備の建設のプロジェクトでインドネシアに単身赴任。数人の日本人スタッフと、大勢の現地スタッフの作業を指揮する現場監督。風祭が突然全裸で働き始める一件から始まります。彼のこの奇妙な行動は、最初は現場の同僚や部下たちを驚かせ、混乱に陥らせます。現場監督のベテランである風祭が突然全裸になったことで、笑い話になると同時に、問題が本社にも伝わり役員会でも問題とされます。
しかし、風祭は全裸での仕事を止めるつもりはありません。彼は自分の信念を貫き、全裸で現場を指導することで、突然現れた新しい自分を受け入れ始めます。その過程で、彼はあるエピソードを通じて多様性の重要性を認識します。
ある日、現場で働いていた外国人のロイス・ヤンが作業現場近くの大きな川に落ちるという事件が発生しました。周りにいた同僚は重い作業着を着ているために川に飛び込むことが出来ませんでした。その時、風祭は一番に川に飛び込み、ロイスの命を救いました。
その時偶然、現場近くでロケをしていたTVクルーがこの事件を撮影しており、インドネシアのTVで、モザイク入りで大きく取り上げられました。
このTV放送は、日本人がモザイクで登場したという事もあり、日本のメディアでも取り上げられ、本社役員会や、本社職員の間でも風祭の話題で持ちきりとなりました。
さらに映画は、大地が自身の信念を貫きながらも、彼を支える人々との交流を描くことで人間ドラマを展開します。特に、初めは大地の行動に戸惑いつつも次第に彼を理解し、支えていく若き助手・石橋純との友情は、映画の見どころの一つです。
また、自ら全裸で働くことで周囲から笑いも指摘も受けつつ、風祭が現場の安全を最優先にする姿は、観客に強く印象付けます。その全裸という特異な姿勢が、見た目だけで人を判断する偏見の問題、多様性を認める重要性を観客に問いかけます。